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[2012.01.10]NEW ENTRY

報徳教育部より  「今月のうた・ことば」更新

一月のことば
故道(ふるみち)に積(つも)る木の葉をかきわけて
 天(あま)照(てらす)神(かみ)の足跡(あしあと)を見ん
 この道歌の題は「故きを温ねて新しきを知る」。ご承知の通り『論語』為政篇の箴言である。
 わが道を行くと勇んで進むは良いが、われわれ俗人は往々にして道に迷い立ち止り、選択の判断を違えることあるのが常であろう。
 やはり原点に戻らねばと後には気づくのであるが、先を焦り、迷路に入り込み立ち往生することも多くある。
 尊徳先生のこの道歌は『夜話』や『語録』にも見られるが、佐々井信太郎先生の解説には「(この歌には)報徳仕法の根本意義が詠み込まれているからである」と記されている。
 更に「我々の先祖が大地を切り開き、積小為大の思いを以て、現在の繁栄を為し遂げたという当然の事実を、現代人はあまりにも見過ごしているのではないか」「大先祖の行ってきた開びゃく(開闢)をして余徳を積み立てる法を行いさえすれば、それが先祖の行ってきた道だから、先祖が積徳の功を挙げたように復興し、先祖よりも大きな文化を高揚し得る。これで自分は再興した、この再興法を行わしめる、それが報徳仕法である。二宮先生はこう考えた」と続く。
 しかし、この道歌は祖先が開びゃくの業を為し、営々と築き上げた文化遺産を更に積み上げ、励めと伝えるだけではない。「故きを温ねる」には祖先の辿ってきた道、わが国の成り立ちを考えるのも当然のことながら、やはりわれわれが今現在受けている恩恵に対する「感謝」が必要だと諭されているようにも思える。
 日常、朝起きて食事を済ませ、出勤・登校し、職場、学校で半日を過ごし、また帰宅し、夕食、入浴、就寝といった何でもない当たり前の一日を、何を考えるでもなく過ごすのが常であろうが、その何でもない日々の生活を支えてくれている人の勤労、奉仕、愛情を無下にはできない。例えわが親であっても、そこには感謝の念を持ち、礼を尽くすのが人の道である。
 「感謝」を忘れるでないぞ。更には自らの徳を積んで、世の為に尽くせよという思いで、尊徳先生はこの歌を示されたのではないかと思う。
 新年を迎えれば、多くの人々が産土社や崇敬神社に初詣でと称し参拝する。日本の祖先神への崇敬は勿論大切なことではあるが、年頭にこそ両親やわが身を支えてくれている人びとへの感謝に心致すべきである。
 「積もる木の葉をかきわけて」みれば、天照大神様の神恩だけでなく、身近な人びとの「徳」が見えてくるはずである。


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