校長より

中学高校 [2022.2.8]

第24回冬季オリンピック 北京大会

冬季オリンピック 北京大会が始まりましたね。大学受験真っただ中の高校Ⅲ年生諸君にとっては、それどころじゃないかもしれません。私もそんな学生の一人でした。何か、不安や心配事で心を占めることがあるとその他のことが目に入ってこない手につかないタイプでした。不安や心配事と言えば、かつてない大雪になっている北海道、ウクライナへの侵攻を懸念してロシアを訪問したフランス、毎日新型コロナで、たくさんの方々が亡くなっている日本、目前になった私立高校受験、数え上げたらきりがありません。

<それでも、この機会に皆さんと一緒に考えたいこと>
4年に1度開催されるオリンピックは、アスリートにとって特別な意味を持っているのは疑いのないものです。種目別の世界大会(での記録や入賞)との大きな違いは、何でしょうか?注目度の違い?4年に1度だから?オリンピアンの響き?メダリストという名の称号?
新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、1年延期された夏のオリンピック 東京大会が終わって1年も経たないうちにやってきた冬季オリンピック 北京大会が始まりました。
メダルに届かず涙する選手を見るたびに、せつない気持ちになってしまいます。メダルに届き歓喜する選手たちがいる一方で、メダルを手にしながらも悔し涙する選手もいます。テレビのモニターから喜び、悲しさ、悔しさなど、選手の感情が伝わってきます。
私自身、スポーツの盛んな進学校 報徳学園の一員としてだけでなく、まだ種目にすらなっていなかった空手競技で、小学校時代からオリンピック出場を目指す一人の青年をずっと見て応援してきたものとして、オリンピアンを目指しているアスリートの「努力」がどんなものか少なからず知っているものとして、選手に感情移入してしまうのです。
メダリストについては、競技者として、社会人として、家庭人として、様々な個人情報(本人の了承の下でしょうが)が視聴者に知らされます。メダルに届かなかった人も、競技後の一挙手一投足がテレビだけでなく、SNSなどで視聴者の批評の的になります。
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報徳学園からアスリートとして世界を目指す生徒諸君
顧問の先生やコーチ、先生方から指導されているだけでなく、幼いころから見守ってく下さったたくさんの方々から、ずっと言葉をかけられ導かれてきたと思いますが、あえて一言言わせてもらいます。
「競技者である前に一人の人間として、どのような生き方を目指すのか、この報徳学園で共に学びましょう」

追記
オリンピアンに限らず、アスリートの中には、競技に全力で取り組みながらも社会貢献活動をしている選手がいます。その心に宿るものに、皆さんの心をよせてみませんか?
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夕日を背に、学園生の社会貢献を期待している尊徳先生座像

<この機会に オリンピックについて>
紀元前9世紀ごろギリシアで、宗教行事として1000年以上実施されていた古代オリンピックは、宗教的に大きな意味のあり、戦争を中断してでも参加しなければならなかったようです。(聖なる休戦)
ギリシア人以外は参加できなかった古代オリンピックは、ローマによる地中海全域支配により393年の第293回オリンピック競技大祭で終焉の時を迎えました。
古代オリンピックの火が途絶えて1500年の時が流れた1892年、フランスのクーベルタン男爵によりオリンピック復興の構想が「ルネッサンス・オリンピック」と題する講演の中で語られ、1896年、第1回大会がギリシアのアテネで開催されました。

1924年、第1回冬季オリンピック シャモニー・モンブラン大会(フランス)が開催され、日本は第2回サンモリッツ大会(スイス)に初出場し、スキーのノルディック種目の選手6人と監督1人計7名で参加しました。

現在開催されている冬季オリンピック 北京大会は冬季としては24回を数え、前回の平昌大会(韓国)よりも1か国少ない91か国が参加しています。
過去の冬季オリンピックの中で、日本は第5回大会の候補地(札幌大会)となりましたが、日中戦争により中止となり、戦後1972年に35か国の参加を得て第11回札幌大会を 1998年に72か国の参加を得て第18回長野大会を開催しました。夏のオリンピックも含めて、それぞれ2回ずつ開催できるなんて、日本という国は凄い国です。
※ 日本の夏のオリンピック:1964年 第18回東京大会(93)・2021年 第32回東京大会(205) ( )内は参加国・参加地の数

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