校長より

中学高校 [2022.10.21]

79年前の今日の出来事から

79年前の今日、1943年 (昭和13年) 10月21日 、東京都の明治神宮外苑競技場で「 出陣学徒壮行会 」が文部省(現 文部科学省)主催、陸海軍省等の後援で実施されました。それまで、法の規定により大学・高等学校・専門学校(いずれも旧制)などの学生は26歳まで徴兵を猶予されていましたが、兵力不足を補うため、次第に徴兵猶予の対象は狭くされていった結果でした。
その出征者の多くが経済的に裕福な家庭出身であり(当時、貧困層の進学は困難)、将来の日本社会を担う学生が戦場に向かった意味は大きく、日本国民全体に総力戦への覚悟を迫る象徴的出来事となっていました。
お隣の韓国でも、有名Kポップグループメンバーが近く兵役につくと大きく報道されていました。世界で大活躍している最中の兵役を免除してはどうかとの世論もある中でしたが、個人の都合よりも、戦争に準じた状態にある隣国との関係から、当たり前のこととして、他の韓国の若者たち同様兵役につくことを表明したのです。
現在、彼の地では、特別軍事作戦により併合された地域から、かつて共に暮らしていた人々に対峙する形で兵役を余儀なくされる人々がいます。すなわち、かつての同じ国民同士で命をかけて戦う状況が生まれるかもしれないのです。その中には、未来ある若者たちがいるでしょう。
同じ地球で生きる人類として、一つになり未来を築いていけるようになるには、どうすればいいのでしょうか?

日本では、経済面では新型コロナ禍以前の生活に戻そうと試みていますが、彼の地を発端とする世界情勢から、円安・物価高により悲鳴を上げておられる方々がいる一方で、スポーツ界などの明るい話題で一喜一憂する状況があります。
生徒諸君には上記79年前の今日の出来事を知ってもらい、当たり前の日常を当たり前とせず、「今あることへの感謝」を忘れないでもらいたいと、改めて伝えさせていただきます。

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