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[2022.12.1]

今月のうた・ことば

十二月のことば
  餅代は働いてとれ

12月は、この一年を振り返る締めくくりの月です。今月の言葉は、年の瀬に合うイメージでこの言葉を選びました。
金次郎が桜町陣屋時代の話です。源吉という男がいた。口が達者で才気はあるが、稼いだ金はお酒に消えて、常に困窮した生活を送っていた。その源吉が、年の瀬に金次郎のところに年末年始の米餅を借りに来た。その時、金次郎は源吉に「お前のように年中家業を怠って働かず、銭さえあれば酒を飲む男が、正月だからといって、一年間しっかりと働いた者と同じように餅を食おうというのは心得違いもはなはだしい。正月は不意にやってくるものではない。365日明け暮れして来るもので、米は春に耕し、夏は雑草を取り、秋に刈って、初めて米となるものだ。お前は春も夏も何もしていないのだから、米が無いのは当たり前だ。正月だから餅が食える道理がどこにある。そして、今貸したところでどうやって返せるのか、返せないときは罪人になる覚悟があるのか。正月に餅を食いたいと思えば、今日から遊びや酒をやめて一生懸命に働いて、再来年の正月に餅を食うがよい。だからこの正月はお前の過ちを反省し、悔いて餅を食うのはやめろ」と懇々と説諭したそうです。源吉は自分の過ちに気づき、酒も遊びもやめて、正月2日から仕事をはじめ、再来年は人並みに餅をいただきますと言って金次郎の懇切な教えに厚く感謝し家路につきました。
そこで金次郎は源吉を呼び止め「私の話がしっかりと納得できたか」と尋ねた。源吉は「まことに感銘を受けました。生涯忘れず酒をやめて働きます」と答えた。すると金次郎は、白米・もち米・金一両に野菜等を与えてやったという事です。
人は怒られ、諭された後の流れでこのような展開になると余計に感激し生まれ変わったようになるのでしょうね。源吉も同様に勤勉に励んだという事です。
人は自分の本分を全うして生活する(勤労・勉学・部活動)
日々努力をせずして結果を求めてはならない。努力の結果が今の自分
人の忠告を素直に聞き入れ、考え、悔い改めるべき点は認める
厳しい言葉の後の救いは、金次郎の人としての大きさがわかる話です。これを皆さんに紹介している私自身が肝に銘じておかなければならない事だと思いました。
さあ、今年もあとひと月です。試験もあります。覚悟を決めて締めくくり、暖かで心安らぐお正月を迎える準備をしましょう。

R04+12月のことばs

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