在校生・保護者へのお知らせ

[2020.11.2]

今月のうた・ことば

十一月のことば

貧富の隔たりはただ一つの心得に発す

11月は稲刈りが終わっている時期です。稲穂1株で約1,400粒、2本で2,800粒。普通のお茶碗1杯には約3,000粒のお米が入っています。初夏に植えた3株の苗が秋に1杯のごはんになります。1粒の種を蒔くと、その種は数十倍~数百倍に増えるのが自然の仕組みです。尊徳翁はそのことを「貧富の隔たりは心得一つ」と説きました。
富と貧とは元来遠く隔たったものではなく、ほんの少しの隔たりであって、違いはただ一つの心得にあるのです。
貧者は昨日のために今日働き、昨年のために今年働く。そのため終身苦しんでも楽にはなれない。富者は明日のために今日働き、来年のために今年働くから安楽である。私たちの立場で考えれば、昨日の宿題のために今日勉強する。昨年の勉強不足のために今年復習するということです。昨日すべきことは昨日のうちに終わらせ、今日は今日の宿題・復習、明日の予習を行う。その積み重ねが、テスト前になっても慌てて前日の一夜漬けでということにはなりません。大学入試でも、2年後、3年後と将来を見据えて取り組めれば結果は大きく変わります。今、一握りのお米しかない。これを一気に食べれば、今の食欲は満たせる。しかし、全部食べ切ってしまうと明日のお米が心配になる。今の欲求のために全て食べるのか、少し先のことを考えて半分を田に蒔くのか。ゲームをしたい・遊びたい、でも少し我慢して机に向かうのか、それが貧富(頑張る人と頑張らない人)の隔たりとなるのです。そんなことは当たり前で、みんな分かっています。でもそれを実行する、しないが分かれ目なのですね。お米・お金・時間・生き方にしても、今を浪費するのか、今を未来に投資するのか。一粒の種を蒔くと数十倍~数百倍に増えるのが自然の仕組み。今日、あなたの心に蒔くほんの少しの小さな勇気の種が、あなたの未来の実になるのが心の仕組み。「なりたい将来の自分像、こうありたい自分像」をしっかりと持ち、今はしんどく苦しい状況でも、今できる小さなことを積み重ねていくことで大きな実りを必ず迎えると思います。明日、来年、将来のための自分磨きのために日々の生活を着実に行っていきたいものですね。

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