在校生・保護者へのお知らせ

[2021.2.1]

今月のうた・ことば

二月のことば
 変ありといへども、
  是れを補ふの道あれば、変なきが如し。

 二宮翁夜話に、
「世の中に事なしといへども、変なき事あたはず、是れ恐るべきの第一なり。変ありといへども、是れを補ふの道あれば、変なきが如し。変ありて是れを補ふ事あたはざれば大変に至る」
とあり、昔から「備えあれば患いなし」と言われるように、思いもよらない転変に備えて、日ごろから備蓄の必要があると説いたものである。これは、尊徳先生が村人に対して、倹約を語るときに用いた言葉であるが、倹約の教えと共に「変」に対する心構えが述べられている。
冒頭の一文では、「諸行無常」の考えが用いられ、物事は常に同じことはなく変わっていくことをあらかじめ頭に入れておくことの重要性が語られる。昨年1年間は変化の連続であった。何をするにも新しいことが求められ、不安に苛まれる日々が続いた。変化には怖さや、悲しみはつきものである。その度に一喜一憂していては、心が疲れてしまう。だからこそ、世の中は常に「諸行無常」だと心に留めておくことが大切であると尊徳先生は教えてくれている。このような心構えを持ち、毎日当たり前に行えることを積み重ねていく。そうすることで、普段の生活の中での微細な変化に気づき、受け止め、対応していく心にゆとりが生まれるのではないか。その心のゆとりが柔軟な対応を生み、窮地を救うような考えや行動に繋がる。報徳学園の生徒には、これからの世の中に起こる様々な変化に恐れることなく、凡事を非凡に徹底してやり続けることができる人になってほしい。今一度、普段の生活を見直し、やるべきことが徹底できているか、些細な変化に気づくことのできる心のゆとりがあるかを考えてみてはどうだろう。

←戻る

ページトップ