在校生・保護者へのお知らせ

[2021.7.1]

今月のうた・ことば

七月のことば

草少く至て手易き畑より手入して、
至て草多き処は、最後にすべし

前期中間考査も終わり、もう少しで夏休みです。「あれもやりたい、これもやりたい」夏休み、徐々に夏休み中の予定をたて始めている頃でしょう。この「やるべきことが常に何かある」という状態、実は今だけの話ではありません。君たちが大人になってからも、いや大人になった時こそ、こんな日々を送ることになるのです。このような毎日を生き抜くには、何を先に片づける必要があるのかという「優先順位」をきちんと立てることが大事になってきます。「優先順位(プライオリティ)」ということばは、近年のビジネスマン向けの本でよく目にするものですが、尊徳先生は、草刈りの例をとって、分かりやすく教えてくれています。
 丈が伸びてしまった雑草取りは、とても大変なものです。このとき、生い茂ったやっかいな雑草から先に取るべきでしょうか、あるいは後回しにすべきでしょうか。一見、大変なところから先に刈り取ったほうが効率的に見えるかもしれませんが、そうとも言い切れません。ぼうぼうの草に手間をかけている間に、小さな雑草までが畑全体にはびこってしまい、すべてが手遅れになってしまうからです。こういうときは、手間取りそうな部分はいくらか荒れてしまっても仕方がないと覚悟を決め、手近なところから処理してしまわなければならない、と尊徳先生は言っています。つまり、「やりやすいところから、やれるところから」というふうに優先順位をつけたほうが、よい結果がでることもある、といっているのです。
 さて、これまでの自分の宿題の進め方を振り返ってみましょう。どのような優先順位で進めましたか?大きく分けて、時間のかかりそうなものを先にやる人、後に回そうという人のふたつのタイプがあるかと思います。夏休みの宿題もしっかりと計画をたてて、早め早めに取り掛かることのできる人は、どちらでもよいのです。しかし、ほとんど手つかずのまま夏休みの終盤を迎え、緊急事態だという経験がある人も少なくないでしょう。もちろん自分の趣味に費やす時間も必要だと思いますが、遊びと学習のバランスが大切です。一つ一つの宿題の見通しを持ち、優先順位を考えスケジューリングしましょう。あと3週間程で夏休みが始まります。この期間に夏休みに向けてしっかりスケジューリングを行うことができれば、より有意義な夏休みを送ることができるでしょう。

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