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[2022.5.1]

今月のうた・ことば

五月のことば

      心田開発

 二宮尊徳先生は、その70年の生涯において、600ヵ所以上の村々を復興させ、よみがえらせた偉大な人物です。その中でも、小田原藩主に命じられ、復興に当たった村に、田畑が荒廃しているだけでなく、村人の心も荒んでいる状態の村がありました。村を復興するにあたって、まず、金銭的な援助をするのではなく、荒廃した心を立て直すために、村人に思いやりの心を持って接しました。そして、村人の荒れた心を開発し、村の自立を計画しました。その後、村の指揮をとり、10年後に見事、村は自立し、復興しました。村人の心を立て直した考え方こそが「心田開発」です。
 また、『二宮尊徳のことば』素読の2番目にも心田開発という項目があります。そこには、「己に克つは、我が心の田畑に生ずる草をけづり捨て、とり捨て、我が心の米麦を、繫茂さする勤めなり。是を人道といふ。論語に「己に克って禮に復る」とあるは此の勤めなり。」と記されています。ここでは、人の心を田んぼに例えて説明しており、その中で記載されている人道というものは、一日怠ればたちまちすたれるもの。つまり、田んぼに雑草が生えるのは自然なことであるが、その雑草を自分で取り除かなければ、良い米は実らず、田んぼがダメになってしまう。だから、雑草を取り除く必要があるということを伝えています。また、「己」という言葉は私欲のことを意味しており、田畑に例えれば、雑草のこと。「克つ」とは、この田畑に生ずる雑草を取り捨てることを意味しています。
 新年度が始まって、1ヵ月が経過しました。この1ヵ月で、良いことも悪いこともあったと思います。悪いことを直すためには、尊徳先生が農村復興で最初に行った村人の荒廃した心の立て直しように、根本を見つめ直す必要があると思います。まずは、自分の心を良質な土にするために耕し、良い土台をつくりましょう。
また、来月には、学習面では前期中間考査、部活動では様々な大会が始まっていくかと思います。一度、この1ヵ月間の生活リズムや課題への取り組みなどを振り返ってみてはいかがでしょうか。スマホやゲームなどをしたいという己に克って、勉学や部活動に励みましょう。

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