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[2021.9.1]

今月のことば

九月のことば

天理に叶う時、富貴来る

※『論語』に「富貴天にあり」という言葉があります。この言葉は「富や地位は天の与えるものであり、人の力ではどうすることもできない」という意味です。しかし、この言葉を誤って「富は天から与えられるものだから、行動せずとも自然に手に入るものだ」と考えた人々に対して尊徳先生は以下のように説いています。
「富貴天にありといへるを誤解して、寝て居ても富貴が天より来るものと思ふ者あり。大なる心得違ひなり。富貴は天にありとは、己が所行、天理に叶ふ時は、求めずして富貴の来るをいふなり。誤解する事なかれ」
これを解釈すると、『「富貴天にあり」という言葉を、寝ていても勝手に豊かになると考えている人もいるが、これは大きな間違いである。「富貴天にあり」とは、おのれの行いが天理に叶うならば、求めないでも富貴は天から近づいてくるということだ』という意味になります。何もせずに天から認められるわけでなく、行動することの必要性を説いていると思われます。
みなさんの「富貴」に当てはまることは何でしょうか。希望する大学に合格したい人、部活動で活躍したい人……。ただ念じていても結果を出すことはできません。「やるべきこと」が分かっていても、考えるだけでは意味がありません。勉強を始め、『行動』すること、練習を始め、『行動』すること。目的を達成できた時は、日々努力した私たちの行動があるからだと考えられます。「富貴」がやって来るとすれば、必ずそういうことが生まれるような行動をしているからだという点を認識する機会にしていただければと思います。
みなさんは、様々な目的を持ってこの報徳学園での生活を送っていることと思います。夏休みも終わり、学校生活が再開しました。最初に自分が目標としていた生活はどのようなものだったでしょうか。もう一度、初心にかえり、改めて自分の行動を振り返ってみてください。
不断の努力こそが富貴のもと。当たり前のことではありますが、知ってはいても、行動が伴うかどうかは自分次第です。

*論語…孔子と彼の弟子の言行を、孔子の死後に弟子達が記録した書物。

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