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[2023.10.2]

今月のうた・ことば

十月のことば
分度を守る
盛衰治乱存亡の本源は分度を守ると守らざるとの二つにあり。我この分度を守りて領中衰廃を興し百姓を安んじ上下百年の艱難を免れしむ。子孫永く我が志を継ぎ、富憂の時に居ると雖も本源たる分度を確守して戻らざるときは、永世上下の福余りありて衰微の憂ひなし。

報徳論の中にある言葉です。物事(国や組織も)が盛んになったり衰えたりすることや、世の中の平和と混乱や、存在と滅亡の大本は分度を守るか守らないかということに掛かっている。私も自分の分度を守って立て直しを任せて頂いた藩のご領地の中の停滞している土地を発展させ、そこに暮らす百姓の暮らしぶりを安定させて、上に立つ藩の役人や、その下で働く人々の心配、苦労を百年に亘って取り除かせた。子孫の人たちが末永く私のこの気持ちを受け継いで、世の中が豊かになった時であっても、大本にある分度ということをしっかり守って、後戻りしなければ、未来永劫、上に立つ者もその下で働く人たちも幸福に満ちて、衰退する心配などないのだ。

 皆さんも含めて人間は社会生活を送る中で様々な組織に所属して、役割を与えられて生きてゆきます。社会を維持するためのその組織が上手く機能するも機能不全に陥ってつぶれてしまうも分度を守る人の資質次第で決まるという事を述べている訳ですが、皆さんが生涯に亘って役立つ大切な行動指針に、十代のうちに出会えた事は素晴らしいことだと思います。中学、高校、会社とその時々に所属している組織の中にあって今の自分にとって分度とはという事を考えていきましょう。

十月のことば 掲載用s

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