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[2025.2.1]

今月のうた・ことば

二月のことば

右足一歩 左足一歩づつ進み歩行するより
  速やかなるはなく 順なるはなし

例えば、難関大学の受験を目指して勉強するとき、その道のりは計り知れなく遠いものに感じられるでしょう。英語では文法の勉強をし、多数の単語や熟語を暗記し、難解な長文を大量に読破しなければなりません。かと思えば、全く分野の異なる理科や数学、あるいは国語や社会の勉強もあります。何とか効率よく勉強したいものです。しかし、どの教科も一足飛びに実力をつけることはできず、地道に努力するしかありません。
「小を積みて大となす」報徳思想における最も基本的な考え方で「積小為大」として、二宮翁夜話にも記されています。

「翁曰く、大事をなさんと欲せば、小なること怠らず勤むべし。小積もりて大となればなり。」
 
人生で何か一つ、大きなことをしたいものです。しかし、大きなことはなかなかできるものではありません。それは地道に小さなことを積み重ねるという努力をしないため、物事がうまくいかないと憂い、実は出来易い小さなことを怠っていることに気づかないからです。
 夜話にはこうあります。

「譬(たと)へば百万石の米と雖(いえど)も粒の大なるにあらず。万町の田を耕すも其の業は一鍬(ぐわ)づつの功にあり。千里の道も一歩づつ歩みて至る。」

 難関大学の受験勉強といえども動作一つ一つを分解すれば、まず鉛筆を持つことであり、ノートを開くことであり、書物を繙(ひもと)くことです。それらは誰にでもできる簡単なことです。千里の道を歩くにも、右足だけ出して歩もうとしても進むことはできません。右足一歩、左足一歩と順序よく歩を運ぶ以外に理にかなった方法はありません。また、左右交互に歩くからこそ、足は素早く動くのです。足が素早く動くからこそ、目的地に早く到達することもできるのです。勉強でも、そしてやがて職に就いたときにその仕事を進めるにも、この言葉の表す精神をよくよく考えて、実践しましょう。
高校Ⅲ年生は共通テストも終わり、一般選抜入試に向けて頑張っていると思います。悔いの残らぬよう頑張ってほしいと思います。高校Ⅲ年生以外の生徒もまだまだ遠い未来とは思わず、今できることが何かを考え、一つずつ確実にタスクを片付けていきましょう。

2月のことば ホームページ掲載用

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