トップページ【学園・クラブTOPICS】

[2023.11.1]

今月のうた・ことば

十一月のことば
 むかしまく木の実大木となりにけり
           今まく木の実後の大木ぞ

この道歌は、小さな種から大きな樹木に育つ地上の現実を歌ったもので、尊徳先生はこの歌の中で、世の中のあらゆる事物には必ず原因があり、結果があることを述べています。善い行いをしている人には良い結果が生まれ、逆に悪い行いをしている人には悪い結果が生じる、先人の善い行いが、現在の良い生活につながり、現在の善い行いは子孫の良い生活につながっていく、ということを説いています。しかし、良い結果になるか,悪い結果になるか等、物事の成果はなかなか見えてこないものです。今まく木の実の結果は、すぐ目の前で芽生え、あらわれ出るというものではなく、十年二十年ないし四十年五十年後に出るものです。短期間で善行の成果が出ないと判断し、悲観し、諦めてしまっては良い結果を得ることはできません。長い時間をかけて善行を行えば、必ずや成果は表れてくる、ということもこの歌では説いています。
以上のことは、勉強でもスポーツでも通じるところがあると思います。日頃努力していることが、成果はすぐに見えないけれど、後々良い結果につながっていくということは多々あります。勉強でも、努力の成果がすぐには良い結果として見えるわけではありません。しかし、そこで投げ出してしまったり、諦めてしまったら、成果を上げることはできません。長い期間努力を継続することによって、良い結果が得られるのです。スポーツも同様です。一日の練習だけで格段に技術が向上するわけではないと思います。毎日の継続した努力によって少しずつ向上していくものです。このことは、小を積んで大となる、という意味の「積小為大」の言葉にも通じるところがあると思います。

 11月になりました。12月の慌ただしい師走に入る前の1か月、気候もよく勉強にスポーツに集中して取り組める時期だと思います。過去の自分を振り返ってみてください。大木とはいかなくても、少しずつでも成長できる日々を送っているでしょうか?今の善い行いや努力が後の良い結果につながります。少しずつでもいいので、大木に近づくような努力を行ってほしいと思います。

十一月のことば 掲示用s

←戻る

ページトップ