[2025.3.1]
三月のことば
まく種のすぐにそのまま生い立ちて
花と見るまに実のる草々
この歌は「種を蒔けばやがて花を咲かせ、花が枯れた後は種を残し、また次の花を咲かせるための準備をする」という意味です。種を作らなければ花を咲かせることもなく、花が咲かなければ種を作ることもありません。世の中は原因と結果の因果関係で成り立っており、すべての物事には相関性があります。
皆さんは日頃から定期テストや小テストに向けて一生懸命に出題範囲を覚えて勉強していることだと思います。しかし、覚えることが本来の目的となってしまい、勉強することの意義を見失ってはいませんか?暗記するだけの勉強は自分自身への肥やしにはならず、テストの日が過ぎればすぐに抜け落ちてしまいます。一年生の学習と二年生、三年生の学習は区切られたものではなく繋がっていくものです。下級生の間に学んだことを基礎とし、内容を深めて応用させ、上級生でよりレベルアップさせられるように身につけておくことが大切です。それは定期テストや小テストも同じことで、覚えることが目的ではなく「種が土から養分を吸収し、茎を伸ばして葉を生やし、花をも咲かせる」ように、自分自身の土壌にしていかなくてはなりません。土壌を強くしていくために日々の授業を大切にし、自分から前向きな気持ちで勉強に取り組み、学習したことを自身の力に換えていきましょう。
4月から皆さんは進級し、新たな学年での一年がスタートします。3月の間にこの一年間で学んだこと、経験したことを振り返ってみましょう。時間が過ぎるのは一瞬のことで、勉強面でも部活動の面でも成功したこと、失敗したことがたくさんあると思います。努力し出来たことに関しては素直に自分を褒め、出来なかったことは原因を見直し、より高いレベルで何事も実践できるように励んでいきましょう。物事には因果関係があり、何事にも繋がりがあります。たくさんの栄養を吸収できる皆さんが、今後さらに高く茎を伸ばし、大きな花を咲かせてくれることを期待します。