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[2025.4.1]

今月のうた・ことば

四月のことば
今ここに独りの農夫ありて、一反(いったん)歩(ぶ)の荒地を開発せんと欲する時、一(ひと)鍬(くわ)ずつ切り起こすより先(せん)なるはなく、また順(じゅん)なるはなし。 
 
 新入生の皆さん、ご入学誠におめでとうございます。在校生の皆さんは、新年度のスタートにあたり、新鮮な気持ちで4月を迎えていることでしょう。さて、報徳学園は、今年で創立114年を迎える伝統ある男子校です。この伝統の根幹が、二宮尊徳先生が実践された報徳思想です。尊徳先生は、多くの素晴らしい言葉を残していますが、中でも、今月は、尊徳先生の人生を象徴する言葉を紹介します。
 この一文は、尊徳先生が58歳の時に記した「開発勤行談草稿」の中にあります。草稿とは、文章の下書きや文書の初期段階を表す言葉です。下書きと聞くと、重要なものではないと感じますが、草稿は、言葉の洗練と構成のために欠かすことのできないステップです。自分の考えを整理して、言語化することで、過去の実績を振り返ったり、未来へのアイデアを書き留めたり、本当に大切なものは何かを見極める重要な役割を果たします。こうして、完成したのが、尊徳先生の最後の改革を支える「日光御神領仕法雛形」です。
 つまり、尊徳先生は人生の最後の仕事においても、やはり、大切なことは地道な開墾であり、それ以外に思いどおりに開発が進む道はないと悟ったのです。その象徴的な言葉が「一鍬ずつ切り起こすより先なるはなく、また順なるはなし」です。
 新年度のスタートに際し、自分の目標達成のために大切なことは何か。また、毎日の中で積み重ねることができる小さな努力は何かを考えてみましょう。今年一年の皆さんの成長と活躍を期待しています。

R07+4月のことば HP掲載

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