報徳教育部(今月のうた・ことば)

[2019.12.2]

今月のうた・ことば

十二月のことば
 禽獣(きんじゅう)争奪を専(もっぱ)らにし 僅(わず)かに生活を得て礼譲の道なし。故に古(いにしえ)より以来一日も安んずるを得ざるなり。人は則(すなわ)ち此(こ)れに異り、神聖建つる所の譲道に依(よ)り、五倫の道を行い、各々父母妻子を保(やす)んじ、以て其(そ)の生を楽しむ。                                            (二宮先生語録)
*禽獣 鳥やけだもの。
*五倫の道 父子間の親(しん) 君臣間の義 夫婦間の別 長幼間の序 朋友(ほうゆう)(親友)間の信を指す。

 猛禽類(もうきんるい)でも食が足りれば、必要以上の獲物を捕らえる事はありません。しかし、人間はなかなかそうはいかないようです。「満足する」ことを忘れたかのように生きている自分がいます。足りないことの不満を言い、無いものねだりをして感謝の気持ちも薄れていくのでしょう。でも、本当はもっと楽しく生きたい、どんな些細(ささい)なことであっても素直にありがとうと言える自分でありたいと思っていますよね。じゃあ、どうすればいい?それは案外簡単なことかも知れません。例えば、「今日言えなかったことは明日必ず言おう」と決めること。それだけで幸せな気持ちになれるのではないでしょうか。幸せな気持ちになれば、人を思いやる余裕もできます。自分の幸せな気持ちを人におすそ分けすることもできます。そんな気持ちのやり取りが「譲道」ではないでしょうか。「五倫の道」も自ずから開けてきます。決して難しいことではありません。狭い廊下で階段で、ばったり鉢合(はちあ)わせ!さあ、どうします?答えは簡単ですよね。これも「譲道」かな?。さあ!今一度、自分の生活を振り返り、試してみませんか。
人のため、そして自分のため。

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