報徳教育部(今月のうた・ことば)

[2020.4.4]

今月のうた・ことば

四月のことば 
 凡(およ)そ事を成さんと欲せば、
  始めに其の終わりを詳(つまび)らかにすべし

 
 この言葉は「分度」に関するものです。「分度」とは、決まりを定め守ることということです。この言葉は報徳学園の校風三則のひとつにもなっており、「勤労」(よくはたらくこと)・「推譲」(世のため人のために譲ること)ともに尊徳翁の実践の三代綱領にも挙げられているものです。
『二宮翁夜話』では、「何事も成し遂げようと考えるならば、最初の段階で、最後はどうなるかを見定めておかなければならない」と尊徳翁は説いています。それから、「木を切り倒すときに、いきなり切ってしまうのではなく、どの方向から切るとどの向きに倒れていくかということを考えてから行うべきだ、そうでなければ倒れるときに困ってしまう」というように具体例が示されていきます。そして、最終的には、「分度を守ることで実に平穏無事な生活を送ることができる」と説いています。
 さて、四月に入り新年度に入りました。新入生は本校での新たな生活に期待と不安が入り混じった気持ちでいっぱいでしょう。また、在校生も上級学年へと進級し、それぞれの目標を実現すべく、努力を重ねていこうという人も多いことと思います。もしも、そのような目標がまだ立てられていない人がいるならば、真剣に考えてみてください。がむしゃらに物事に取り組むというような姿勢も時には大切ですが、その前に「自分がどうなっていきたいのか」ということをイメージすることによって、勉強やクラブ活動などにも今まで以上に身が入ってくるのは間違いありません。
現在、世間は大変な状況ですが、状況に流されることなく、「自分が将来どのようになりたいのか」「今、自分が何をすべきなのか」をじっくり考えてみてもよいのではないでしょうか。

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