報徳教育部(今月のうた・ことば)

[2018.1.15]

今月のうた・ことば

一月のことば
むかし蒔く木の実大木と成りにけり
今蒔く木の実後の大木ぞ

人は自分の損得で物事を考えがちですが、材木が必要と木を切ってしまえば次がありません。木を植えて30年経たなければ材木にはなりません。だからこそ後世のために木を植える。今日用いる材木は昔の人が植えたものだとすれば、どうして後世の人のために植えないでよかろうか。先祖が蒔いておいてくれた木の実が種となって今の大木があるように,今育てる木は後生の役に立つのだという意味です。
一個の木の実も米百俵もその場しのぎで食べてしまってはたいした意味をなさない。苦しい時こそ将来を見据えて小さな「たね」を有効に活かす、という長い目で物を見る考え方の大切さを説いています。私たちの生活に置き換えれば、今の自分が生まれてからの大木です。そしてこれからの成長が後の大木です。
一月、平成30年の幕開けです。新しい年を迎えるにあたりいろんな思いでお正月を過ごしたと思います。今年こそは…と目標を立てたことでしょう。
目標の積み重ねの結果が君たち自身の大木です。
ともすれば目先の結果が目標になりがちですが、それは私たちが大木になるための手段です。目先の事にだけに捉われず、あせらず、おこたらず、日々努力し徳を積み、少々のことにはへこたれない根をしっかりと張った大木になりたいものですね。

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