報徳教育部(今月のうた・ことば)

[2018.5.7]

今月のうた・ことば

五月のことば
大事をなさんと欲せば、小さなる事を、怠らず勤むべし。
        小積もりて大となればなり。

 
新年度が始まり、あっという間に4月が終わりました。報徳学園で学ぶ皆さんは、入学式や始業式を無事に終えて新たな出会いや新しい目標に向かってチャレンジする機会がたくさんあると思います。是非、この報徳学園で自分の決めた目標に向かってどんどん突き進んでいって下さい。
しかし、人は大きな事にとらわれてしまうと、自分の足元を見つめる事からつい離れがちです。報徳思想の主要な柱の一つに「積小為大」という言葉があります。これは、大きな事を成し遂げたいと思えば、小さい事を怠らずに勤めていかなくてはならない、という思想を表した言葉です。その例えとして尊徳先生は、「百万石の米と言っても、米粒が大きいわけではなく、小さな米粒がたくさん集まって百万石となるのである。千里の道も一歩ずつ歩いて行き着くのだし、山を作るのにも一もっこの土を重ねて積み上げていくのである。この道理を良くわきまえて、小さい事を勤めていけば大きい事は必ず出来上がる。小さい事をいい加減にしては大きい事は決してできない。」と説いています。
尊徳先生が十七歳の時、捨て苗を拾い集めてそれを自分の田圃の一部に植えた所、秋には一俵の籾を収穫することが出来ました。このことからわかるように、尊徳先生の素晴らしい所はこの「積小為大」を思想として説いただけでなく、生涯にわたって自ら実行した所です。皆さんは今までの自分を振り返った時に何か一つの事を積み重ねていく努力が出来ていますか。その努力の結果が必ず報われるとは限りません。しかし、世の中の成功した人や名を残した人は必ずと言っていいほど、「小さな事の積み重ね」や「自分を磨くための努力」を行っています。新学期が始まり一か月が過ぎた今、もう一度自分の行いを振り返り、やがて大きな成功「為大」に繋がる事を信じて自分なりの「積小」を始めてみましょう。誰でも出来る平凡な事を、誰もが出来ないぐらい非凡にやり続ける事が大切です。

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