トップページ【学園・クラブTOPICS】

[2024.3.1]

今月のうた・ことば

三月のことば
 真実に守る力の弱ければ
  まずわが身からもてぬ世の中

年度末になりました。今年度を振り返って、どのような1年だったでしょうか?年度初めに立てた目標に向けて努力は出来ましたか?達成は出来ましたか?4月には多くの生徒が進級し、新たな学年でスタートを切ります。是非、今年度中に、学業面やクラブ活動の面,生活面を振り返り、課題や反省があれば、来年度にいかしてもらいたいと思います。
上の歌は、尊徳先生の道歌の1つで、「惰弱」と題がついています。勤業に精励しない,遊楽にふける,真面目に物事に取り組まない行動に対しては、昔から惰弱と批判されます。なぜ、このような惰弱が尊徳先生の歌の題になったのか?
報徳仕法の目的の1つは農民の貧困の解消です。尊徳先生は、貧困の原因は数々あるが、原因が天災・地変・病難など余儀ない事情のものは、救済の道を立てれば直ちに解消される。しかし、起こしても倒れ、救ってもまた同じ貧困への過ちを重ねるものがある。その場合の多くが惰弱であると述べています。そのため、自分の分をわきまえ生活の道を開いても、なすべき勤業を怠り、守るべき倹素を省みない、そのような惰弱の戒めとして詠まれた歌、といわれています。また、健康がすぐれなく惰弱になるのはやむを得ないが、信念をもって修練すれば相当に精励の度を高めることが出来る。気力の弱いものは怖気づいたり、すねたりして惰弱になるが、信念の確立によって充分引き立て得る。人生観を確立し、それを実現し得る生活方法を自覚せしめることが最も緊要である、とも述べています。
 尊徳先生は、報徳仕法を実行するにあたり、人々の心の田を耕すこと、すなわち「心田開発」が重要と捉え、農民の惰弱を改善するため様々な取り組みを行い、多くの農村を復興させました。皆さんの中にも、今年度惰弱に陥ってしまい、学業面やクラブ活動の面で成績が下がってしまった人もいるかと思います。そのような人は、来年度に向けて具体的な目標を立て、4月から揺るぎない信念を持って努力してほしいと思います。そして、一人でも多くの生徒の心の田が耕され、充実した1年になることを期待しています。

3月のことば ホームページ掲載用

←戻る

ページトップ