[2024.8.1]
八月のことば
見渡せば敵も身方もなかりけり
おのれおのれが心にぞある
この歌は「敵となる対象は相手ではなく自分自身にある」ということを表した内容です。「敵」と聞くと自分以外の相手を連想させますが、「他人と比べる前にまず自分自身の能力を高めるための努力をすることが重要である」という意味です。
普段の生活でついつい後回しにしてしまうことはありませんか?
学校の課題、提出物、後片付けなど面倒なことから逃げたくなるのが人間です。しかし、嫌なことから逃げてばかりいると何事に対しても避ける習慣が身についてしまい、日常の勉強や部活動の練習でも苦しいことから逃げるのが当たり前になってしまします。日頃の鍛錬をおろそかにしていると力をつけることができず、受験や定期テスト、試合で結果を残すことができません。また、学校生活では課題や提出物を出し忘れても先生から指導を受けることで事が済みますが、社会人になって期日を守ることができないと、信頼を得ることができず、大切な仕事を任せてもらうことができません。仕事を任せられなければ生活のための収入を得ることができず、豊かな生活を送ることもできません。結局すべては自分自身に返ってくるのです。面倒だと思うことほど早く行動に移す習慣を身につけましょう。
また、『二宮翁夜話』の中に「一日活きれば一日の儲け」という言葉があります。「一日を有意義に過ごせば、そこには価値が生まれてくる」という意味です。長い人生も結局は一日一日の積み重ねです。一日を何気なく過ごしている人とやるべき事を定めて過ごす人とでは一年、二年後にとても大きな差が生まれます。今日一日を有効的に過ごすために、やるべきことを明確にし、実りのある一日を過ごすことを意識しましょう。
8月はほとんどの日が夏休みの期間です。「まだまだ時間がある」と思って課題などを先送りにしていませんか?あっという間に時間が経ち、「ダラダラと過ごしてしまった」ということにならないよう『やるべきことは早めに』『今日一日を大切に』取り組むようにしましょう。皆さんの夏休みが充実したものになるよう期待しています。